小児歯科

子どもの歯を守るためには

子どもの歯を守るためには

ヒトは、未熟な状態で生まれてくるといわれています。出生後、新生児期・乳児期に基本的な成長発達をしてヒトから人間となり、幼児期・学童期・思春期を経て、成人になります。その成長・発育は単に体が大きくなるのではなく、各年代で特徴的な変化が見られます。その特徴を捉えることが重要です。

歯はお母さんのお腹にいるころ(胎生8週)から作られ、生後6ヶ月頃に下顎の前歯が生え始め、2歳半頃乳歯の並びが完成し、5~6歳頃から永久歯が生えてきます。それから10年以上の時間をかけて永久歯の並びが完成します。また同時にお口の機能も獲得されてゆきます。

お口の中を拝見することで、その子供の成長を知ることができます。また、お口の中の変化は、単に成長の状態を教えてくれるだけでなく、身体的・精神的な異常のサインも教えてくれます。近年、お口の病気と全身の病気との因果関係が科学的に証明されるようになりました。また、咬みあわせも身体も発達と密接な関係があり、咬みあわせが悪いことにより心身に色々な支障が生ずることも分かってきました。お口の中を観察することで、数・形態・機能の変化から、日常生活の中で特別な器具を用いることなく心身のサインを知ることができます。

このように定期的なお口の管理は、歯・口を健康に保つばかりでなく、身体的・精神的側面からも健康管理に役立ちます。人の体の中でこのような場所は他にはありません。

歯・口は、病気・事故により形態を損ねる危険性があります。さらに、ヒトはその進化により、歯の萌出の異常・歯並び・咬み合わせの問題を抱えています。

成長は、一般的に生後から10歳前後までを第1次成長期、その後20歳頃までが第2次成長期と呼んでいます。新生児期・乳児期から第1次成長気においては人間の基本的なことを獲得し、第2次成長で完成に至ります。ですから、その成長過程において正常咬合を乱す種々の因子の発生を予防し、さらに咬合の形成・口腔の機能の獲得を阻害するような異常や障害が発生した場合には早期に治療し健全な永久歯列に誘導することが重要となります。

第1次成長までに、よりバランスのとれたお口・身体・精神を培うことがその後の成長・人生に大きな影響を与えます。ハブラシは一見簡単なようですが、お子さんが一人で全ての歯をきれいにすることができるようになるのは小学校高学年と考えられています。この頃は丁度第2次成長期に入るころです。それまでは、ご両親の仕上げ磨きと定期的にメンテナンスを受診することが重要です。お口の観察を通して、健やかな子育てを心掛けたいものです。

ライフステージに沿った口腔保健のポイント

お口のケアや治療は、誰もが同じでいいのではありません。お口の中の傾向は年齢を重ねるごとに変化していくもの。かかりつけの歯科医院を持ち、定期検診ともに、年齢に合った専門的なケアを受けることが大切です。

乳歯列期 1~3歳ころまでの間に、食べものの嗜好やお口の環境の基盤が築かれるといわれています。歯科医院で正しいブラッシング方法の指導を受け、お口の中の清潔を保ちましょう。
小児期 乳歯と永久歯の混合歯列期には、大きさの違う歯が混在したり、すき間があったりとブラッシングしにくくなります。毎日の適切なブラッシングに加えて歯科医院で専門的なケアを受け、永久歯列が健康なお口の中で完成されるよう準備しましょう。
思春期・青年期 学校での検診がなくなるうえ、心身のバランスが乱れやすく、生活習慣が不規則になるこの時期は、虫歯や歯周病になりやすい時期でもあります。毎日のブラッシングに加え、かかりつけの歯科医院で専門的なケアを受けることをおすすめします。
実年期・高齢期 歯周病が進行し、歯を失う方が急激に増える時期です。毎日のブラッシングはもちろん、かかりつけの歯科医院で、定期的に専門的なメインテナンスを受けるようにしましょう。

小児歯科の処置メニュー

予防処置
予防処置 【フッ素塗布】 【フッ素塗布】
歯質を強くし歯の再石灰化を促す効果を持つフッ素を、歯の表面に塗布する処置。虫歯になりにくい歯にすることができます。またごく初期の虫歯であれば、これによって治癒が期待できるケースもあります。
予防処置 【シーラント】 【シーラント】
奥歯にある複雑な溝は、汚れが溜まりやすいうえにブラッシングしにくく、虫歯になりやすい場所。そこであらかじめレジン(歯科用プラスチック)で埋めてしまい、虫歯を予防する処置が「シーラント」です。
ブラッシング指導
ブラッシング指導 虫歯予防の基本は毎日の正しいブラッシング。歯ブラシや歯みがき粉の選び方から、歯みがき粉をつける量、また歯ブラシの動かし方、仕上げみがきのポイントなどまでを、歯科衛生士が丁寧に指導します。
唾液検査(サリバテスト)
虫歯予防の基本は毎日の正しいブラッシング。歯ブラシや歯みがき粉の選び方から、歯みがき粉をつける量、また歯ブラシの動かし方、仕上げみがきのポイントなどまでを、歯科衛生士が丁寧に指導します。

子どもの歯並びについて

子どもの歯並びについて

お子さんの歯並びで、気になっていることはありませんか? 「出っ歯」や「すきっ歯」「受け口」などの歯並びの乱れは、虫歯や歯周病になりやすかったり、顎や顔つき、また全身までのゆがみを招いたりすることもあります。近年歯並びの悪い子供が増えているのは、人間が直立二足歩行を獲得し文明をもったことによります。歯並びが悪いことはお口だけの問題ではありません。

歯並びが悪い状態は、摂食・発音発語機能に支障をきたしているだけでなく、口呼吸・いびき・睡眠時無呼吸症・ナルコレプシー・夜尿症・アレルギーなどの問題を持ってることが少なくありません。

そこで、当院ではお子さんの歯並びや咬みあわせを正しく導くとともに、お口の周囲の機能を考えた顎・顔面矯正を行っています。全身の成長期を見据えた顎・顔面矯正は、人間の抱える多くの問題を解決してくれる有効な手段の一つだと考えています。

治療開始のタイミングを逃さないために、気になることがあれば早めにご相談ください。

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